コラム
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【直見キンドルさん対談①】終活現場のリアルを聞く、終活を始める3つのスイッチとは?

shoei
  • 親の介護が始まり、自分の老後も急に現実味を帯びて不安になってきた
  • 何かあった時に家族に迷惑をかけたくないが、これといったきっかけがない
  • 後悔しないために、今やるべき具体的なアクションを知りたい

終活について考える方にとって、このような悩みが増えてくるのではないでしょうか。

仕事に家庭、忙しい私たちにとって、緊急性のない「終活」はついつい後回しになりがちです。

しかし、何の準備もしないまま「その時」を迎えてしまい、大きな後悔をする方が後を絶たないのが現実です。

そこで今回は、Amazonランキングで話題の書籍『老後の不安はお金だけ?』の著者であり、法律・介護の現場のリアルを知り尽くした直見(なおみ)キンドルさん@45naok)に対談インタビューを行いました。

この記事でわかること
  • 多くの人が終活を考えることになる「3つのスイッチ」
  • 現場のプロが見た、準備不足で陥る「ダブルケア」のリスク
  • トラブル回避のために今すぐ押すべき「第4のスイッチ」

▼ 今回、お話するきっかけとなった書籍はこちら ▼

しょうえい
しょうえい
僧侶
Profile
住職歴4年。これまでに葬儀・法事などの供養の場を200件以上執り行い、葬儀や供養のご相談も多数お受けしています。
このブログでは「未来の安心をつくる、終活と葬儀のガイド」をテーマに、僧侶の経験をもとに正確で信頼できる情報をお届けします。
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直見キンドルさんってどんな人?

「直見キンドル」というお名前の通り、電子書籍(Kindle)作家としての顔をお持ちですが、実は「介護と法律のプロフェッショナル」でもあります。

ケアマネジャーや成年後見業務といった現場での経験を活かし、執筆だけでなくアプリ開発から全国でのイベント主催まで、「終活」をテーマに驚くべき行動力で活動の幅を広げている方です。

しょうえい
しょうえい

まずは、その経歴とプロフィールを簡単にご紹介します。

借金・離婚・ハードワーク…「どん底」からの大逆転劇

メディア掲載やアプリ開発など活躍されている直見さんですが、実はご自身で「元・情弱(情報弱者)」だったと語る過去をお持ちです。

プロフィールによると、以前はこのような状況だったそうです。

  • 金なし、職なし、スキルなし
  • リボ払い地獄を経験
  • 20年近く「馬車馬」のように働く正社員生活

そこから、お金の勉強を始め、徹底した家計改善を実行。

なんとネット査定で安かった中古車を、工夫して+100万円近く高く売却するなどの「行動力」で人生を好転させてこられました。

週休5日制!?常識破りの「自由な働き方」

直見さんのもう一つの大きな特徴は、その働き方です。

現在は、司法書士や税理士などが所属する法人の「任意後見制度」の専門部署で勤務されていますが、その勤務形態が驚きです。

  • 2023年:週休4日制
  • 2024年:週休5日制
  • 2025年:ときどき週休6日制へ挑戦中

「馬車馬のように働く」生活から、現在は「週に2日働き、5日休む」というスタイルを実現されています。

この自由な時間を使って、現在は執筆活動やアプリ開発に全力を注がれています。

しょうえい
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ここまでの話は、書籍でも語られています。
気になった方は、実際に書籍を手にとって見てください。

「老いと死」を明るく語る場を全国で

アプリ開発や執筆だけでなく、リアルな場での活動も非常にアクティブです。

  • 「旅する老後研究所」として、全国各地でワークショップや交流会を主催
  • 毎日新聞をはじめ、26のメディアに活動が取り上げられる
  • 年間100冊以上を読む読書家であり、愛犬家

「老いと死」という少し重くなりがちなテーマを、明るく前向きに、そして「自分ごと」として語り合える場を全国で作られています。

\ 直見キンドルさん自身が、終活について気づかれたことを綴っています。 /

しょうえい
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そんな経験豊富でバイタリティー溢れる直見さんに、今回はたっぷりとお話を伺いました。

現場で判明!人が重い腰を上げる「3つのスイッチ」の正体

(図解:3つのスイッチのイラスト。左から「1.当事者(病気)」「2.家族(介護)」「3.専門職(仕事)」というラベルが貼られたスイッチが並んでおり、それぞれの立場の人がハッとした表情でスイッチを押そうとしている様子)

直見さんとの対談で、まず話題にしたのは、「人はどんなタイミングで終活を始めるのか?」という点でした。

直見さんはご自身の豊富な現場経験から、人が本気で動き出すには明確なきっかけがあると教えてくれました。それが「3つのスイッチ」です。

  • 当事者になった時(自分の病気・入院)
  • 家族の事情が変わった時(親の介護)
  • 専門職として現場を見た時

多くの人は、なんとなく「いつかやらなきゃ」と思っています。

しかし、実際にエンディングノートを書いたり、資産を整理したりするのは、自分や周囲に不可抗力的な変化が訪れ、強制的にスイッチを押された時がほとんどという話でした。

【スイッチ1】「当事者」になった時(自身の病気・入院)

多くの人が終活を始める最初の「スイッチ」は、自分自身が病気や入院の当事者になった瞬間です。 この図解では、健康なうちは「他人事」だった死が、医師の宣告によってリアルな「現実」となり、住宅ローンや資産管理などの具体的な不安が押し寄せてくる様子を描いています。 危機に直面して初めてスイッチが入りますが、「体力が落ちてからの準備は負担が大きい」という重要な教訓も示されています。

1つ目のスイッチは、自分自身が「当事者」になった時です。

これは自分が大きな病気を患った時や、自身が高齢になり死を意識したタイミングを指します。

今まで健康診断の結果をあまり気にしていなかった人でも、医師から具体的な病名を告げられたり、死は概念ではなく「現実」として目の前に現れます。

これまで当たり前だと思っていた日常が崩れ、

  • もしこのまま家に戻れなかったら、残りの住宅ローンはどうなるのか?
  • 銀行口座の暗証番号を妻に伝えていないが大丈夫か?

といった具体的な不安が押し寄せてきます。

直見さんのお話では、こうした危機的状況に陥って初めて、終活へのスイッチが入るとのことでした。

しょうえい
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健康な時ほど「死」は他人事になりがちです。

仏教では、「生老病死(しょうろうびょうし)」を逃れられない人間の苦しみと説きます。

私たちは普段、その事実から無意識に目を背けて生きています。

多くの人は「老い・病い・死」という試練を得て初めて、残りの「生」の時間と価値を実感します。

しょうえい
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自分の人生を見つめ直すのも、このタイミングが多いのではないでしょうか。

しかし、体力が落ちてからの準備は精神的にも肉体的にも大きな負担となるため、できればこのスイッチが入る前に動き出したいものです。

【スイッチ2】「家族」の事情が変わった時(親の介護)

2つ目のスイッチは、「ご家族」の事情が変わった時です。

特に最も多いのが、親御さんの介護が必要になったり、看取りを経験したりした時でしょう。

  • 今まで元気だった親が認知症になる
  • 介護施設への入居が必要になる

上記のようなことから、子どもである私たちは、

  • 施設の手配
  • 実家の片付け
  • 財産管理

といった現実に直面します。

親の衰えを目の当たりにし、煩雑な手続きに追われるなかで、「親の姿は未来の自分そのものだ」と痛感させられます。

「親が何も準備していなくてこんなに大変だったから、自分の子どもには同じ思いをさせたくない」という思いが、自分自身の終活のきっかけになります。

【スイッチ3】「専門職」として現場を見た時

3つ目のスイッチは、仕事を通じて人の生死に日常的に触れる専門職の方々です。

医師、看護師、介護職員、そして私のような僧侶などがこれに当たります。

直見さんも多くの高齢者の人生に関わってこられたからこそ、若いうちからの備えの重要性を肌身で感じ、こうして発信活動をされています。

専門職の強みは、様々な人生のエンディングを「ケーススタディ」として見ていることです。

準備をしていたおかげで穏やかに最期を迎えられた人何も準備しておらず、家族が混乱しまった人の両方を知っています。

他者の人生を反面教師、あるいは手本とすることで、自分自身に危機が訪れるよりも早く、早期にスイッチが入るケースです。

しょうえい
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現場を知る人は、早期の備えが家族を救うと知っています。

もちろん、専門職でなくても、地域のボランティア活動や、知人の葬儀への参列などを通じてこのスイッチが入ることもあります。

重要なのは、他者の経験を「自分には関係ない話」として切り捨てず、「もし自分だったらどうするか?」と想像力を働かせることです。

しょうえい
しょうえい

直見さんや私がブログで発信している情報も、読者の皆さんにとっての「疑似的な現場体験」となり、この第3のスイッチを押すきっかけになればと願っています。

終活は50代からが多い?「サンドイッチ世代」の苦悩とリスク

3つのスイッチの中でも、特に50代の方が終活「家族の介護」というスイッチが入りやすいそうです。

しかし、近年は単に親の面倒を見るだけの世代ではありません。

  • 仕事での責任
  • 子どもの独立
  • 自分自身の体の変化 など

人生における重大なイベントが一気に押し寄せる時期でもあります。

この世代特有の環境が、終活をより複雑で切実なものにしています。

上は介護、下は教育…挟まれる「ダブルケア」の現実

50代は、一般的に「サンドイッチ世代」と呼ばれます。

上を見れば高齢の親が介護や医療的ケアを必要とし始め、下を見れば大学生や社会人になりたての子どもの教育費や結婚資金の援助が必要になる時期だからです。

直見さんのお話では、晩婚化の影響もあり、親の介護と子育てが同時進行する「ダブルケア」に直面する方も少なくないとのことです。

時間的にも金銭的にも余裕がないなかで、親の実家の片付けや、介護施設の手配といったタスクが降りかかってきます。

しょうえい
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50代は人生で最もタスクが多い時期かもしれません。

トラブルが起きてから慌てて対処するのではなく、少しでも余裕があるうちに優先順位をつけることをおすすめします。

しょうえい
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時には、プロの手を借りることも検討しましょう。

定年が見えてくる「社会的役割」の変化と喪失

画像:スーツを脱いでカジュアルな服装に着替えた男性が、地域のボランティア活動や趣味の集まりに参加して、笑顔で交流しているイラスト

会社員として働いてきた方にとって、50代は「定年退職」や「役職定年」というゴールテープが視野に入ってくる時期でもあります。

これまで「会社人間」として、組織の中での役割や肩書きを生きがいにしてきた人ほど、その喪失感は計り知れません。

  • 毎日通う場所がなくなる
  • 会う人が少なくなる
  • 社会への貢献をしている感覚が減る

上記のようなことから、急激に老け込んでしまったり、社会から孤立してしまったりするケースは枚挙にいとまがありません。

しょうえい
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仕事関係の連絡先を削ると、どれくらいの連絡先が残るでしょうか。

これもまた、広い意味での「終活」の課題になると思います。

有効な手段として、現役のうちから「家庭と会社以外の居場所」を作っておくことをおすすめします。

第三の場所とは?
  • 地域コミュニティ
  • 趣味のサークル
  • SNS

会社の看板を下ろした後の「素の自分」で付き合える人間関係を構築しておくことは、精神的な安定剤になります。

しょうえい
しょうえい

お葬式の現場でも、会社関係の参列者が多い現役世代と異なり、退職後は地域や趣味の友人が見送ってくれるケースが増えます。

「定年したら時間ができるから」と先送りにせず、50代のうちから少しずつ軸足を会社以外にも広げていくこと。

これもまた、人生を豊かに生きるための重要な手段ではないでしょうか。

しょうえい
しょうえい

お寺も本来はそうした地域コミュニティの核となる場所です。

ふらりと立ち寄って世間話ができるような、そんな開かれた場でありたいと私も強く願っています。

体力・気力の低下と「老い」の自覚

画像:鏡の前で自分の顔や体型を見つめる50代女性のイラスト。少しの不安と、これから自分を大切にしようという決意が入り混じった表情
  • 昔より疲れが取れにくくなった
  • 徹夜ができなくなった
  • 小さな文字が見えにくい

50代に入ると、こうした身体的な衰え、いわゆる「老い」のサインを自覚する場面が増えてきます。

女性であれば、更年期障害による体調の変化に悩まされることもあります。

しょうえい
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自分の時間や体力に、明確な「限り」があることを突きつけられる瞬間です。

しかし、この「老いの自覚」こそが、終活を始めるための重要な合図でもあります。

まだ足腰が動く50代のうちなら、実家の片付けで重い荷物を運ぶこともできますし、複雑な相続の手続きを理解する判断力も十分にあります。

これが70代、80代になってからでは、気力が追いつかず、手に負えなくなってしまったり、判断能力の低下で口座が凍結されてしまったりするリスクが高まります。

しょうえい
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動けるうちに動く、これが鉄則です。

仏教には「諸行無常(しょぎょうむじょう)」という言葉があり、今の元気な状態が永遠に続くことはあり得ません。

自分の身体の変化をネガティブに捉えるのではなく、「そろそろ身辺整理を始めなさいというサインだな」と前向きに受け取ってみてはいかがでしょうか。

まとめ|トラブル前に押したい「第4のスイッチ」

ここまで、病気や介護といった「強制的に入る3つのスイッチ」についてお話ししてきました。

しかし、直見さんと私が対談を通じて一番お伝えしたかったのは、トラブルが起きる前に自らの意思で押す「第4のスイッチ」の存在です。

病気になってから、あるいは親の介護で余裕がなくなってから始める終活は、どうしても目の前の問題に対処するだけの事後処理になりがちです。

それでは精神的な余裕もなく、十分な選択肢を検討することもできません。

しかし、まだ何も起きていない元気なうちに、自発的に情報収集を行い、スイッチを入れることができれば、それは未来のトラブルを未然に防ぐ予防になります。

直見さんは、70代以上はチラシなどのアナログ媒体で動く一方、今の40代〜60代はSNSやブログを通じて能動的に情報を掴むことができると指摘されました。

「まだ早いかな?」と思う今こそが、実はベストなタイミングです。

お寺や専門家と事前に繋がりを持っておくこと、家族と元気なうちに話し合っておくこと。

これらは決して縁起の悪いことではなく、未来の自分と家族を守るための「智慧(ちえ)」ある行動です。

しょうえい
しょうえい

備えがあれば、未来への憂いは減ります。

不安を不安のまま放置しない。それができれば、老後は恐れるべきものではなく、人生を楽しむための時間へと変わっていきます。

直見さんのような現場を知る方の知見を、ぜひ道しるべとして活用してほしいと思いました。

この記事を書いた人
しょうえい
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僧侶
住職歴4年。これまでに葬儀・法事などの供養の場を200件以上執り行い、葬儀や供養のご相談も多数お受けしています。
このブログでは「未来の安心をつくる、終活と葬儀のガイド」をテーマに、僧侶の経験をもとに正確で信頼できる情報をお届けします。
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